人気ブログランキング | 話題のタグを見る

焚き火を囲んで眠るような記事

takineru2.exblog.jp
ブログトップ
2008年 10月 25日

カフェと床屋

カフェと床屋_c0181544_2235524.jpg

フランスのパリに降り立って一日目。
街をブラブラする。

カフェで朝食をとる。
コーヒーとバゲットとオレンジジュース。

歌を口ずさみながら働くギャルソン(ウェイター)
キビキビした動きだ。
木の床は分厚く、
落ち着いた照明の店内は、
居心地が良い。
屋根はあるもののオープンテラスになっていて、
皆、道路の方を向いて座っている。

家族が朝食をとっている。
隣りのおじさんは、コーヒー一杯たのんで、
タバコを一本吸った後、
新聞を読んでいる。
赤い服を着たおばあさんが、
クロワッサンを食べている。

メルシー!(ありがとう!)と、
いたるところから聞こえてくる。
ボンジュー!(おはよう!)と、
いわない人はいない。
サバ!(元気かい!)と、
笑顔で言っている。

言い忘れたけれど、
フランスでは、
形式的ないらっしゃいませ、、、
とかは言われない。

そして、
客であろうと、
挨拶しなかったら、無視される。

そのかわり、
元気よく挨拶さえすれば、
心の存在する、
本気の挨拶が帰ってくる。
生々しく、アナログな対応だ。

それは、ただの挨拶ではなく、
小さな会話であるような気さえした。

小さい頃近所に、
いつもおじさん達が集まって、
朝から将棋を打っていて、
それを囲んで世間話をしている、
そんな床屋があった。

ふるぼけた水色の壁と、
でこぼこのガラス戸。
そういえば、
あの床屋は、
よく朝日があたっていたなあ。

人が集まり、
そこに会話があった光景は、
ほの暖かい印象として、
記憶に残っているものだ。

フランスのカフェは、
そんな日本を思い出させてくれる、
朝日の良く似合う場所でした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
連載「ボンジュール!私、日本を探しております」
『ほしはら山のがっこう新聞』10月号

by takineru2 | 2008-10-25 22:04


<< パリのカラスは高い声で鳴く      パンの善し悪しは山に聞け >>